自由なドラクエ
テレビゲームには大抵の場合、映画や小説と同じようにはじまりと終わりがあります。
映画なら2時間、小説なら200~300ページほどで物語が終わります。
ドラゴンクエストではプレイヤーがぼうけんのしょを作ってから、世界の邪悪な存在を打ち倒し、エンディングを迎えるまでがひとつの物語です。
映画は勝手に物語が進み続けますが、小説は自分がページをめくらなければ進みません。
ドラゴンクエストでも、プレイヤーがコントローラーを握り、町の人に話しかけたり、モンスターと戦ったりしなければ物語は前に進みません。
物語が終わることが、ゲームの目的でしょうか。ドラクエでは少なくとも、勇者が魔王を倒さなければエンディングを迎えることができません。
エンディングまでの道のりは、基本大きな道一本だけです。カジノやクエストなど、寄り道できる要素はありますが、複数のエンディングが用意されているわけではありません。
複数のエンディングがあるということは、それだけ自由度が高いゲームといえます。
邪悪な存在を滅ぼし、世界を平和にするのがドラクエの絶対的なエンディングでした。
魔王を倒さなくても平和にすることができる、世界を平和にしなくても物語を終わらせることができる。複数のハッピーエンドやバッドエンドがドラクエに必要なのかどうかはわかりません。
しかし、オープンワールドのドラクエを作ることで、いままでにない新しいドラクエの一面が見えることでしょう。
自由度が高すぎるドラクエ
自由度が高すぎるとドラクエが持つドラクエらしさが消えるかもしれません。
主人公はモンスターだけではなく、村人に戦いを仕掛けることができます。貴族を倒せばお金が多くもらえ、城の兵士を倒せば経験値が増えます。
しかし倒し続けていると、人々からの評判が下がり、武器屋や道具屋で物を買うことができなくなります。宿屋に泊まれなくなるととても困りますが、宿屋の主人を倒して、自分の宿屋にしてしまえば問題ありません。
魔王への手がかりを持つ王様を倒してしまえば、ハッピーエンドへの道のりが消えて、一生、兵士たちから追われることになるでしょう。
モンスターを仲間にできるのだから、人間を自由にスカウトできても不思議ではありません。
占いばばを仲間にしたり、モンスターじいさんや王様を仲間にしたり。また、メインの仲間を解雇させたり。
強制的に道を歩くのではなく、自分で道を切り開いていくのが楽しみでもあります。
難易度はぐっと上がり、シビアなドラクエになるでしょう。
しかし、あの素晴らしいドラクエの世界を自分の自由な選択で攻略してみたいという気持ちもあります。