雨が降ったときに、パラソルの中でするような話をひとつや2つ。それは喜劇か、悲劇か、またはビジネスか。

#7 ジャッジメント・スクエア

2018/10/17
 
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松葉杖の隣人

金色のトウモロコシを持ったけげんなポールと野蛮なウルフは助言を求めるために松葉杖の隣人を訪ねた。

松葉杖の隣人は川のそばのつつましい三角ハウスを根城にしていて、入るには午前10時から午後3時までのフレッシュタイムにあいさつをしなければならなかった。好運なことにポールたちはあいさつをすることができた。

「はよはよ、いでたちのうまさよ」松葉杖の隣人は首に高貴なベルトを巻き、ポールたちをもてなした。

「へっへ、なるほどなあ」野蛮なウルフは失礼にも鼻を利かせて、部屋中に散乱した鼻血ティッシュに目をやった。

「さて、金色のトウモロコシのことについてです」ポールはウルフの態度に目をくれず、さっさと本題について話しはじめた。

「林間学校の帰りにもらったポケットティッシュだ、あの頃はなにをしても時代錯誤で、期待が虐殺に変わり、未来が沸騰したヤカンに変わったものだ」

松葉杖の隣人の調子を崩してはならない。ポールは話を合わせることにした。

「それは結構なことです。さぞ現代のアフターケアに役立ったでしょう」

「はっは、そうでもない。いや、そうに違いないとはいわせない。私は知っているのだよ。お前たちがメディシング・ラブのバーを襲ったことは」

「あれはぼくたちのせいではありません。誓って」

ポールは雨の日のカタツムリを装って、懸命に平和活動をした。

「私のフレッシュタイムの隙を狙って、こそこそと金色のトウモロコシを持ってくるなんて、気の利いた泥棒さんだ。泥棒さんにはここよりももっといい場所がある」

松葉杖の隣人が口笛を吹くと、裸にお面をつけた兵士がポールとウルフを捕まえて、鼻息荒く別次元のパレードを計画した。

いくじなしのカラスはゴミの中に夢を見る。それが7月のナタデココの由来である。

ジャッジメント・スクエア

あっと馬が泣いたほどの体験だった。

ぼくが楽天家のママと絶交するために忍ばせた「子どもの爆弾」は初々しくも大人の爆弾に紛れてレールを流れ、ぼくのママの目の前まで来た。

子どもの爆弾を見たときのママは、なにもかもお見通しだよって感じだった。ぼくはたまらなく恥ずかしくなって、子どもの特権を存分に活用してここから立ち去ろうと思った。拳をほっぺたに打ちつけて、鉄の味を堪能した。

ママが子どもの爆弾を桃太郎の桃みたいにぱかっと開いて、中にある素晴らしくもアカデミックな誕生秘話を取りだしたとき、ママの目からしずくがこぼれた。このときぼくは閉めなきゃと思った。だって水道の蛇口がきれいに閉まっていなくて水がぽたぽた落ちているなんて厄介ごとじゃないか。少なくともぼくはそう教えられて育った。

「睡眠不足」というレッテルを張られた同級生は翌日、頭の上にお日様を描いて登校した。あまりにお粗末なお日様だったけど、その子はにこにこしながら児童文学を読みふけっていた。睡眠不足なのにどうしてあんなに本が読めるのだろうとぼくは思った。楽天家のママに帰って聞いてみると「それは真っ暗な世界の中にお日様を見たからよ」と乙女チックに答えた。そのときのぼくはどういうわけか怒りを覚えた。

絶交する度に、こうやって数々の引きだしを開けていかないといけないなんて。ぼくは、ぼくが背負えるサイズのリュックサックにため息をこぼし、それしか背負えない自分自身にもため息をこぼした。

しらばっくれる日々

魔女の家に来て28時間と32分が経過した。

しらばっくれるのもそろそろ限界だ。マカダミアンとケットはとっくの昔にテーブルの上のキャットフードを片付けていたし、おまけのクリームソーダの味にも嫌気がさしていた。

延々に続く魔女の話は正直、笑えるものではなかった。交通違反のキャンペーンガールをしていた頃の話はたしかに退屈なものではなかったけれど、それに基づく真実の数がどれだけ嘘の壁で塗り固められているかは判別できない。

「信号無視をした連中が我が物顔で近所を散歩するのを許していいのでしょうか」魔女は毛が生えた理想論を語った。

「隅から隅まで首をはねて、煮込み、スープにしても、私のお腹には限界がありますし、スープの匂いがカーテンに染みついて色味が失われるのを毛嫌いする愛護団体の方もいらっしゃいます」

「ですが、なんでも思い通りにはできませんよ」

マカダミアンは水に花を入れるくらいの勢いで魔女を攻めた。

「すべてに愛を捧げてはいけません。私は、ポケットに愛を入れすぎて、着衣の乱れに頭を悩ませた人たちを何人も見てきました」ケットは思い思いに口を開き、破壊論を述べた。

「おお、なんということでしょう。私は、いえ、私たちはあなた方と通じあえるなにかがあると信じていました。ええ、卵の殻を順番に割って、中からハッピーなアヒルが生まれるくらい楽しみにしていたのです、はい。それがきょう、ブタの顔をしたハンマーでニワトリごと気絶させられるなんて」

魔女はあれよあれよという間に顔色を変え、人身事故を経験した主婦の顔になった。それは思わずモザイクを仕掛けたくなるような顔だった。

クリームソーダの味はやがて見るものを炭酸にして、気配を消す。気配を消すことができれば、近所の回覧板が回ってきたときに役に立つに違いない。

次の冒険へ #8 ネムタイの森

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