雨が降ったときに、パラソルの中でするような話をひとつや2つ。それは喜劇か、悲劇か、またはビジネスか。

#1 旅立ち

2019/12/05
 
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作品集まーねは、言葉の遊び、楽しみ、チャレンジ。

瞬間の造形力で完成する、壁にかけるポスターのような言葉たち。私たちを迎え、あらゆる感情の糸をほぐしていく。

旅立ち

恐ろしくもはかない、稀代の名手マカダミアンと泥臭さが抜けないアジアのマルコポーロ、ナッツ。きょう限りで2人は村の英雄から引退を決意し、一目散に次なる時代へと駆けていくことにした。

エンジェルボーイの領主はこのまたとないチャンスに歯をカチカチ鳴らして喜びを表現した。意外にも彼の評判はこの国では上々であり、酒場や温泉街などではもっぱらの噂である。

失態に目をつぶりたくなる気持ちをマカダミアンはこらえた。様子を見てこいと命じたナッツは昼からおへそをだして、炎天下の野原に身をささげていた。

「静かなる平和は、きわどいドレスに似ています」ナッツは水鉄砲を構えながらいった。

「やっとここまできたんだ。心配はすね毛の侵略だけにしておけ」

少しも恐れないマカダミアンを見て、ナッツはピンポン玉を鼻に詰めて意気込んだ。

「ようこそ、オリジナリティーのある世界へ、旅立ちはここまでだ。妙な輩がしっぽを振ってにらんでいたけど、そもそもぼくたちには関係のないことさ」

マカダミアンはこの提案に同意した。そう、風車はまだ回らない。

ごった返す日々

祈りをささげるルクセンブルク国王。王の隣にはつまようじを千本作った男が控えていた。

硫黄の臭いに敏感な犬が吠えはじめる。兵士はハンカチを手に、ゆっくり城内を警戒する。パンクフットの犬はどれも臆病だが、中には勇敢なやつもいる。それは人間の社会でも同じだ。

東からジャンク・ビューの軍隊が攻めてきているのには理由があった。彼が国という枠を超えて、自らをイエローにするということは海岸沿いのうねりを意味していた。

マカダミアンはこの抗争から逃れようとパンクフットに宿をとった。身からでた錆が悪魔の化身にならないように、ナッツは四六時中つまようじを口に咥えて震えていた。もちろん、本人は武者震いというだろう。

「これは武者震いなんだ」

「へえ、そうかい」

「信じていないな?」

「オリゴンの携帯に期待はしないさ、どうせすぐに蜂が来て、泣いている子を刺す」

「それは、テクニックのまにまに?」ナッツは胸をぐいと突きだした。

「あるいは、そうかもね」マカダミアンは平静を装って、ピーナッツを口に運ぶ。

逃れられない闇は、床下を這い回って、台所を漁り、客の残りものを盗んでいった。宿の料理長はこの事態を自分だけで収拾しようとしていた。なんてことはない、私はただ、マグカップにコーヒーを淹れようとしただけだ。奥二重の泥棒が来たところで、かゆいところはどこにもありわしない。

料理長の対応は失敗と見なされ、翌日の青空、公開処刑が行われた。パンクフットの人々は爪の間のゴミを掃除しながら、哀れな料理長を俯瞰していた。

マカダミアンたちの耳にも、この事件は入ってきた。しかし、それは町をでたあとのことだった。用心すればするほど、扉は固く、ふにゃふにゃになる。

酔いつぶれたムービーに占いは当たらない。それも、エンジェルボーイの策略なのかもしれない。

ミルクでりんでろん

100本の足で歩く猫を見るために、マカダミアンとナッツは南の砦を訪れた。指の先からゆりの花が咲くくらい楽しみにしていたナッツ。

玄関に置かれた、ファーストレディーの卒業写真を破り、訪問の合図とした。どうも変だなとこのときマカダミアンは感じるのだった。

桃色のスカートを上下に乱舞しながら、砦の女王が降りてきた。目は電球のように光彩を放ち、股下の爆弾はいまにも爆発しそうにコチコチと音を立てていた。

「ようこそ、マカダミアンとナッツ。このように身を削って、あなたたちを歓迎できるなんてね」

女王はナッツの首元をつまみ、天井に放り投げた。

「私たちもです。ルールのない世界に、文字通り、便宜はありません」マカダミアンはナッツのことを少しも気にしないで、論文を書くように徹夜をうながした。

女王は真っ赤に燃える微笑みを返した。熟練の技をここで披露するのは焦っている証拠だ。彼岸花はすでに、枯れている。

次の冒険へ #2 けげんなポール

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