雨が降ったときに、パラソルの中でするような話をひとつや2つ。それは喜劇か、悲劇か、またはビジネスか。

#3 サブスタンスの群れ

2018/10/17
 
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作品集まーねは、意味だらけの世の中に投じられた新しい原石。もしくは、何万光年も離れた、星に咲く花。

それはまだ、だれも手をつけていないし、役割を与えられていない。あなたがその一番最初の発見者となる。

サブスタンスの群

未熟な肩こりに悩まされていた砦の女王は、本日の午後4時におつかいを頼んだ。葉巻とよくゆでられたトランプカードを召使いに買いに行かせた。

ニワトリが鳴くよりも早く、砦の城門は開けられる。どっと押し寄せるサブスタンスの群は、だれが女王の服に黒アリを付着させられるかで頭がいっぱいだ。

けげんなポールがいたころは、この事態を早急に解決した。矢の先に自由の女神を塗り、おまじないを唱えた。

大地の申し子、糸くずの母、約束されたパパラッチ、祝辞を述べるのは痩せた子羊。

大きな声で3回唱えたときに、100本の足を持つ猫がにゃーと景気よく鳴き、召使い40人での水かけ合戦がはじまった。不誠実なレモンを握ったものには、勲章として、家の玄関に入りきらないほどの自由の女神をプレゼントされる。

これは、この砦の、悪しき習慣といえる。女王の娘はそう考えていた。

夏と朝日

経験でいえば、肉厚のハンバーグをほおばったときに似ている。無数のケーブルで足を縛れば、血は固まり、泣きべそをかくに違いない。軍隊なんて昨日の友だちだ。シャボン玉を空に打ち上げれば、サンショウウオの世界までまっしぐら。

ジャンク・ビューは桃色のスカーフを首に巻き、難しい目をしてじっとしていた。家来のひとりが乱暴に声をかけてくる。

「隊長、この期に及んでピクルスとは、ニキビが増えますぞ!」

「心配は無用だ。占い師にとびっきりの金を払ってある。いまごろ、おれの妻はベッドで寝がえりをうって、たたき起こされるのを心待ちにしているだろう」

ジャンク・ビューは広間にキャンディの包み紙をばらまいた。七色に輝く、それは美しい包み紙だった。

「これを明日までに、きれいにしておけ。お前のパンクフットに住む母上を苦しませたくないならな」

家来は銅の槍を置き、床をきれいにした。夏ははじまったばかり。開けられた外の風から、巨大な赤陽がエールを送っていた。

エチケットブルース

「あんたのいうことが嘘なら、その端正なまつ毛を一本残らず引き抜いて、それでベルギー人形をこしらえてやるぜ」

ナッツは故郷の水を飲むように、女王の娘を脅した。娘はくちびるを噛み、両手をもじもじさせた。

マカダミアンは寝室の窓から下の様子をうかがった。レタスみたいな服を着た手下が3人、どれも女王好みの体格をしている。きっと改造されたのだろう。

「娘よ、名前はなんという?」

「はい、エチケットブルースといいます」

「長いな、では、ケットと呼ぶことにする。ケット、砦にある抜け道を教えてくれ。あなたのドレスが泥だらけになっても仕方がないような道をね」

神妙な顔で要求を受けたケットは、花瓶に刺さった短剣を持ち、器用に後ずさりした。

ケットには幼少期より鍛えられた、自慢の指関節があった。どこまでも曲がり、折るとパキキッという音が鳴る。ケットは毎晩、その音を聞きながら、ベッドの中で女王の眠り歌に対抗していたのだ。

マカダミアンとナッツはその見事な指関節に助けられながら、砦を脱出することができた。

「もう、ここまでくれば大丈夫だろう」

「追ってこないかな?」ナッツは息を切らしながらそういった。

「ケットの偽の指関節と、みそおでんがおとりになってくれるよ」

マカダミアンはにんまりと笑いながらいった。

「みそおでんなんかよく作れたな」

「ええ、私がお手伝いをしたのです。腐っても女王の娘ですから、それくらいはたしなんでおります」

「いいか、ケット。これからはもう女王の娘ではない。自由なんだ。少しの間な。エチケットブルース、ケット、ようこそ、またとない野原へ」

マカダミアンとナッツは手拍子でケットを褒め、夕日が沈むレクイエムとした。

次の冒険へ #4 メディシング・ラブのバー

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