【映画】少女の愛は、ナイフのように鋭く、拳銃のように冷たい。

愛の形にはさまざまなものがある 。
一国の王子と 貧しい娘との愛。 お金持ちの令嬢と 下働きの若者との愛 。
そして、私はまた新しいひとつの愛の形に出会った。
10代の少女と殺し屋との愛。
この愛は少し奇妙で、切ない。
10代の頃しかない、未熟な美しさがこの映画では描かれている。
少女の抱える悲しみと、殺し屋への愛情が私たちの胸を締めつける。
これは、ひとりの少女が背伸びして輝いていく、約2時間の芸術作品である。
【この記事の目標】
□ 映画「レオン」の魅力を知る。
☆作品データ☆
タイトル / レオン
製作年 / 1994年
ジャンル / アクション映画
キャスト / ジャン・レノ、ナタリー・ポートマンほか
マチルダの愛
「私を愛して」「あなたを愛しているわ」「私を愛していないのね……」
少女マチルダは映画の中で何度も「愛」というキーワードを殺し屋であるレオンに伝えている。
大人が口にする「愛」と少女マチルダが口にする「愛」は少し違う。
マチルダの「愛」には、子どもが親に求めるような「温もり」の意味が強い。
家族を殺され、身寄りがなくなったマチルダは、レオンの部屋のベルを鳴らす。このときはまだ、マチルダとレオンはたまに顔を合わせるくらいの、顔見知りに過ぎなかった。
レオンがプロの殺し屋だと知ったマチルダは、家族を殺された復讐をレオンに依頼する。
その依頼を断ったレオンだったが、マチルダの強引な説得に負け、しばらくは一緒に暮らし、面倒をみることにする。
ひとりで生きる術を持たないマチルダ。この世で頼れるのは殺し屋であるレオンだけ。
レオンに見捨てられれば、マチルダは生きていくことができない。
だから「愛」を強く求める。
なぜなら、互いに愛しあうことができれば、血は繋がっていなくても実の家族のような絆が生まれるからだ。
その絆が、マチルダにとって、孤独や恐怖を打ち晴らす唯一の希望だった。
【プチコメント】
☆ ナタリー・ポートマン演じるマチルダに魅了され倒された2時間でした! あの若さにして、思わずドキッとするような真に迫った演技! 子どもっぽさに数滴、大人の色気を足したような、なんともいえない魅惑に感服!
☆ この映画における「そうならないでよかったあ」と思うところ。マチルダはプロの殺し屋にならない。マチルダは人を殺さない。マチルダとレオンがべたべた付きあわない。ところ。
☆ おどおどしながらも、すべてを包みこんでくれるようなレオンの優しいところが好きになった。マチルダと出会って、過去の自分を冷静に見つめ、そこから成長していくレオンの姿に涙がでる。
名シーン
〇マチルダに銃を向けるレオン
家族を殺されたマチルダがレオンの家で泊まった晩。ベッドで寝ているマチルダの頭に、レオンは思い立って拳銃の銃口を向けます。わずか数秒ほどのシーンですが、レオンの心の中の葛藤が爆発的に表現されたシーンです。「ここでマチルダを殺したほうが、この子のためになる……」とレオンは思ったのか、それとも……。
〇マチルダのゲーム
「私が欲しいのは、愛か、死よ」マチルダは復讐への覚悟をレオンに見せるために、あるゲームをします。拳銃を自分のこめかみにあて、引き金を引いて、発砲すれば負け、発砲しなければ勝ち、という恐ろしいゲームです。力もなく、言葉も知らない10代の少女が大人に対抗するには、自分の命を懸けるしかない。マチルダとレオンの関係がより特別なものになった、重要なシーンです。
〇お酒を飲み、笑うマチルダ
レストランでマチルダとレオンが2人で食事をする。お酒をぐいっと飲みほしたマチルダは、レオンに勝ち誇った顔をして、「アハハハハハ」と笑い続けます。少し動揺するレオンと、ねじが外れたように笑いが止まらないマチルダ。見ていると、こっちもなんだか口元が緩くなってくる。そんなシーンです。
レオンはamazonプライムビデオで
映画「レオン」はamazonプライムビデオで見ることができる。
【この記事の目標】
☑ 映画「レオン」の魅力を知る。